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人事制度 / 役割=役職

   前回の続きです・・・。

 人事制度の策定を検討されているお客さん、「等級制度」を何にするかが決まりました。

 結論は、「役割等級」。 ただし、「役割=役職」です。

 

 新しい役割等級を導入するよりも、今まで不明確だった役職の基準を明確にしたいとのこと。

 大雑把に言えば、役職に就かなければ、等級も上がらないし、給与上がらない仕組みです。

 

 実は、この「役割=役職」の考え方、中堅・中小企業にとって、意外と実情に合っています。

 

 年齢や経験年数を加味して役職に就いた(就かせた)ものの、プレーヤーとしての意識&行動が強く、マネージャーとして業績向上や部下の育成といった役割が果たせていないケースや、役職者の役割が明確になっておらず、報酬(給与)ともうまく連動していないため、悩んでおられる企業や経営者は多いと思います。

 

 「役割=役職」 は、役職者の基準と評価、報酬(給与)との関係を明確にすることで、現状の役職者の意識を変え、若い社員が上(役職)を目指してもらうためのシンプルな仕組みです。

 

 役職の基準や定義、求められる行動と成果、役職への任免、それに報酬(給与)をどう結びつけるか、また、役職を目指さず、高い技術や技能を志向する社員の処遇など、検討すべきテーマはいくつかありますが、双方にとってわかりやすい仕組みにしていきます。

 

 人事制度の策定を検討されているお客さんから相談がありました。

 策定を検討されている理由や目的、会社の現状や今後の方向性など、必要なことをいろいろと聞きました。

 そして、具体的に進めるにあたっては、基本である「等級制度」 を何にするかを決めなければなりません。

 「等級制度」は、社員に期待する能力、役割、職務等により社員を”区分”する制度で、給与制度や評価制度といった他の制度の中心的な存在です。 

 ちょうど、コンピューターの世界で言えば、Windowsのような”OS”にあたる部分のことで、代表的なところで『職能資格』、『役割等級』、『職務等級』があります。 

 つまり、その根拠を"社員に期待する 能力、役割、職務等のどれにするか"、を決めるということです。  

  

  まずは、代表的なものの内容として、

 

 【職能資格】

 職務を遂行するのに必要な能力(職務遂行能力)の大きさ等に応じて等級を区分する制度で、能力の発展段階を等級によって区分するとも言えます。

 日本における伝統的なやり方で、社内調査を経て「職能要件書」も整備する場合もあります。

 

 【役割等級】

 役割の大きさ等に応じて等級を区分する制度で、役割価値で等級を区分します。

 『職能資格』に比べ階層がおおくくりになるのが特徴です。社内の役割を明確に定義します。

 

 【職務等級】

 職務の大きさ等に応じて等級を区分する制度で、職務価値で等級を区分します。

 社内の職務を調べ上げ、その職務に序列をつけていくやり方です。

 

 次にそれぞれを比較してみると、

 

 【職能資格】

  (メリット)

   ・人事異動・職務変化に柔軟に対応できる

   ・資格重視でポスト不足に対応できる

   ・ゼネラリストの育成に適する

  (デメリット)

   ・資格等級と職務内容にズレが生じやすい

   ・年功的運用に陥りやすい

   ・中高齢者が多いと適さない

 

  【役割等級】 

   (メリット) 

   ・役割と給与がマッチし合理的

   ・自らの役割設定拡大で変化に対応できる

   ・役割評価が比較的容易

   (デメリット) 

   ・役割等級の信頼性を確保するにはノウハウが必要

   ・ある程度の運用する力が要求される

   ・役割の設定や拡大を好まない社員には不利になる

 

  【職務等級】

   (メリット)

   ・職務と給与がマッチし合理的

   ・職務内容が明確になる

   ・専門家の育成には効果的

   (デメリット)  

   ・組織や職務が硬直化する

   ・メンテナンスが非常に大変

   ・職務が変わらないと給与が上がらない

 

 どれを選んでもメリット・デメリットはあるので、何に主眼を置くかやメリットを優先的に考えて、デメリットが表面化しない設計や運用を図ることが必要です。

 

 また、等級制度の構築にあたっては、現状の社内の役割や社内業務を膨大な時間をかけて緻密に分析するのはムダです。

 経営判断(こうあるべき)でシンプルに作成し、はっきりと違いがわかるクラス分けが重要ですね。

 

役職(管理職)登用試験

 お客さんから、”社員を役職につける際の判断材料になるいい試験はないか?”

との質問が、最近立て続けにありました。

 一般的には、「登用試験」と呼ばれていますが、「登用試験」は評価制度に基づ

く一定要件を満たした上で、別途、昇進・昇格のための試験等を実施して、その

判断材料にするものです。

 具体的には、以下のような内容を組み合わせて実施するように勧めています。

  1.一般常識や知識を問うもの(筆記試験/ 選択式・記述式)

  (テーマ例)

    ①人事労務管理の基本

    ②仕事の与え方・やらせ方、命令・指示の仕方と報告の受け方

    ③目標による管理の重要性、信頼されるリーダーシップ

    ④原価管理とコスト意識

    ⑤人事評価と部下の育成

    ⑥労働基準法と職場管理

    ⑦職場会議の進め方

    ⑧パートタイマーの管理と活用

   などを取り入れた問題にしますが、自社で作成するとなればかなりの労力

   がいるので大変です。

 2.課題・問題に対する考え方を問うもの(論文・レポート)

  (テーマ例)  

    ①担当職務における課題をテーマとし、課題達成上の対策と自己の役割

     を述べよ。

    ②係長と管理職(課長)の違いとをどう理解しているか

    ③管理職としてリーダーシップを発揮するとはどういうことか、また、組織

     で業績をあげるとはどういうことか。

 3.面接・プレゼンテーション

 4.インバスケット演習の実施(未決箱の中の案件を限られた時間の中で処理)

 

  なお、4.のインバスケット演習では、

    ①優先順位のつけ方やアプローチ方法

    ②課題を抽出し解決を図る方法

    ③案件処理の軽重度、緊急性、相互関連性。

    ④通信文・メモなどの宛先と内容の的確性

    ⑤組織方針・ルール規範に対する準拠性 

    について、個人ごとの傾向が顕著に現れますので、特にオススメです。

改正ラッシュ

 今月は、様々な法律や制度の改正&施行が決まった、まさに”改正ラッシュ”

の月でした。  

 そして、その中でも特に影響が大きいと考えられるのが、以下の3つです。

 

 1.労働契約法(施行日は一部を除き、平成24年8月10日から1年以内。)

  ⇒ 有期の労働契約が5年を超えて更新された場合は、労働者からの申

    出により、無期の労働契約に転換できる。

 2.労働者派遣法(施行日は平成24年10月1日)

  ⇒ 日雇派遣の原則禁止と、グループ企業内への派遣に占める割合は

    全体の8割以下にしなければならない。

 3.高年齢者雇用安定法(施行日は平成25年4月1日) 

  ⇒ 継続雇用の対象者を、能力などの一定条件を満たした者だけを対象

    とするような条件を設けることの禁止。

 

 つまり、

 1.契約社員やアルバイト、パートタイマーなどを多く抱えている企業。

 2.製造現場等で派遣社員を活用している企業と派遣会社、グループ企業

  への派遣がメインになっている派遣会社。

 3.現に継続雇用者がいて、今後も定年退職→継続雇用の対象者が発生

   する企業。

 にとって、影響が特に大きいということです。

 

 ということは、今回の改正等の内容を把握した上で、しっかり対策を立てて

おくことが必要ですね。

 

 ちなみ、うちの事務所では、

 9月から年内にかけて、

  労働者派遣法 ⇒ 高年齢者雇用安定法 ⇒ 労働契約法

 の流れで、セミナー開催を予定しています。

 ご興味のある方は、是非ご参加ください。

 (後日、HPやメルマガでお知らせする予定です。)

 

  気がつけば、前の記事から約4ヶ月のブランクが・・・。

  お客さんからも『最近、全然更新してないなあ』と、ありがたい”指摘”を受けた

 こともあり、心機一転、マメにアップすることを誓います!

  

  さて、来月に管理職研修を行うお客さんとの打合せで、内容や進め方の話も

 含めて、いろいろなテーマで盛り上がり?ました。

  

  その中の1つで、こんな質問をされました。

  

  『部下を育てるのがうまい人の特徴って何ですか?』

  

  ストレートで、まさに研修内容とも関連した、私にとっては”いい”質問です。

  

  『そうですね、いろいろとありますが、1つあげるとすれば・・・

 

  ”部下のスタイルに合わせて、自分のスタイルをちょっとだけ変える”

  

  ことですね。』

 

  『なるほど・・』

  

  自分自身の”必勝パターン”を押し通せば、うまくはまる部下にはバッチリ

 ですが、そうでない部下にはサッパリってこと、よくありますよね。

  

  自分の信念や想いをしっかり持ちながら、「ちょっとだけ」がポイントです。

  

  『そのあたりを、研修の中にうまく取り入れてもらえますか?』

 

  『了解しました!しっかり取り入れますので、ご安心ください!』

  

  来月の管理職研修が楽しみです。

 

  昨年の12月19日のブログに、「推薦図書一覧表」の見直しをしていると書き

 ましたが、ようやく「2012年4月版 / 推薦図書一覧表」が完成しました。

 

  「推薦図書一覧表」 とは、管理職研修や中堅社員研修を受講していただいた

 方へお渡ししている私のオススメ本の一覧表のことで、年2回は 追加本を載せ

 るなど、定期的に見直しています。 

  

  「変化」が求められる&求めている方々にとって、ものの見方や考え方を変え

るのは、本を読むのが一番安上がりでかつ効果的です   

 

  もし、『どんなんか見てみたい!』と思われた方は、無料でお送りしますので、

どしどしお申出ください。

 

  ※ 送付をご希望の方は、 「お問い合わせフォーム」  の 「お問い合わせ内容」

の箇所に、 「推薦図書一覧表希望」 と明記ください。ご指定のメールアドレス

に、PDF形式でお送りします。

 

 

多能工化 / 進め方

  最近、またまた多能工化について、質問を受けることが増えてきました。

  その質問の多くは、『どうやって進めるの?』です。

 

  ちょっと乱暴ですが、大まかに言えばこんな流れになります。

 

   1.現場の仕事(業務)を書きだしてくくる(グループに分ける)

   2.くくった(グループに分けた)  仕事(業務) を、レベルごとにステップアップ

             できるような表を作成して、 現状のメンバーがどのレベルなのかを当

             てはめる。

   3.上記のレベルアップ表の活用やチェックの方法を検討する。

   4.書きだした仕事(業務) の中で難しいものや、ミスが多発しているものは

             マニュアル化する。

   5.具体的にレベルアップできるような、OJTやOff-JTの仕組みを取り入れ

             て、現場で進めていく。

 

  目的は、技術のレベルアップを促して、今まで1つしかできなかった仕事(業務)

  を、2つ、3つと拡大することですが、いっきに進めると、逆に現場が混乱すること

  もありますので、しっかり計画を立てて から進めることが大切ですね。

社内インストラクター制度

 社内インストラクター制度を数年前に導入したお客さんですが、今年もその季節がやってきます。

 この制度は、新入社員がいち早く業務になれて活躍できるように、コーチ役としての「インストラクター」を若手社員に担当させ、会社として新人指導に関して、マンツーマン体制を組んでいくものです。

 

 目的と効果は、

  ①新人育成のスピードが速くなる

  ②新人育成のバラツキが少なくなる

  ③新人を育てることによって、育てる人自身がより成長する。

 

 ①、②の新人への効果は勿論ですが、併せて③の効果が生まれるのがポイントです。 

 後輩を教えることによって先輩・上司自身が成長を実感できるんですね。

 

 具体的には、インストラクターの人達には、自分達の行動基準や新人育成計画の立案(ここが重要です!)をしてもらいます。

 また、新人とインストラクターとの日報の作成等、定期的なコミュニケーション基準を決める他、毎月1回のインストラクターミーティングを実施して、インストラクター同士の情報交換を行い、他の新人の育成状況を知ることも大切です。 

 

 まもなく、新しいインストラクターの人達へガイダンスを行い、来月の新人研修を経て、今年のインストラクター制度のスタートです!

コンプライアンス研修

 管理職の社員を対象にしたコンプライアンス研修をしてきました。

 

 労働基準法を中心に、人事労務に関する問題がテーマです。 

 話した内容は、採用から退職(解雇を含む)までのトラブルになりやすい事例と、「ビフォア・ケア」としての具体的な予防策。

 

 サービス業のお客さんで、若い方からベテラン社員、アルバイトやパート、派遣スタッフなど、男女を問わず幅広い構成です。

 

 「人が商品そのもの」ですので、些細なことでも対応を一歩誤ると、大きなトラブルに発展する可能性は潜在的にあります。

 

 ただ、管理職の社員にとっては、『法律の考え方はわかるけど、全部守ってたら仕事がまわらへん!』、が本音です。

 

 しかし、 『だから、法律を知らんでも平気!』、は違います。

 

 完璧でなくても、「知っている」ことと「知らない」の差は、かなり大きい。 

 「知らない」ばっかりにまずい対応をして、大きなトラブルに発展することは、よくある話です。

 

 トラブルを防ぐには、もっと管理職に勉強をしてもらわないといけません。

 

 まずは、「原理原則」を知ることが、最初の出発点です。 

 

 前回は、労働法令に対するコンプライアンス意識の高い経営者の方々は着実に増えていると書きましたが、実際にコンプライアンス対策の一環として、就業規則等の見直しをする時に押さえないといけないのが、「どこまでやるか?」です。

 

 ところで、就業規則等の見直しをする大きなポイントは、次の2つです。

   1.現在及将来のリスクへの対策ができている

   2.モチベーションアップにつながる制度・ルールも織り込まれている

 

 1.は勿論、絶対必要ですが、併せて2.も積極的に取り入れられるお客さんも同時に増えています。

 

 ただ、1.は、どうしても社員を「性善説」よりも「性悪説」として捉える考え方が前提です。

 

 そして、この時に押さえるのが、「どこまでやるか?」です。

 

 もし、社員とのトラブルが発生した時には、会社が100対0で勝つ(=会社は負けない )という考え方でいくのであれば、「性悪説」をより強くシフトする必要があり、その結果、社員が会社に対して不信感を持ったり、環境を整備するために膨大なコストがかかったりします。

 

 また、『どこまでもやってもきりがない』、ということにもなりかねません。 

 

 そこで、100対0とまではいかなくいても(当然、0対100もダメですが)、80対20から70対30ぐらいで落とし所を決める方が、全体的なバランスがとれることがよくあります。

 

 案外、「80対20から70対30ぐらい」で考える方が、お客さんの気持ちにも余裕が生まれたりするので不思議です。

 

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社会保険労務士 上田 正裕

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