人事制度 / 等級制度を何にするか?

 人事制度の策定を検討されているお客さんから相談がありました。

 策定を検討されている理由や目的、会社の現状や今後の方向性など、必要なことをいろいろと聞きました。

 そして、具体的に進めるにあたっては、基本である「等級制度」 を何にするかを決めなければなりません。

 「等級制度」は、社員に期待する能力、役割、職務等により社員を”区分”する制度で、給与制度や評価制度といった他の制度の中心的な存在です。 

 ちょうど、コンピューターの世界で言えば、Windowsのような”OS”にあたる部分のことで、代表的なところで『職能資格』、『役割等級』、『職務等級』があります。 

 つまり、その根拠を"社員に期待する 能力、役割、職務等のどれにするか"、を決めるということです。  

  

  まずは、代表的なものの内容として、

 

 【職能資格】

 職務を遂行するのに必要な能力(職務遂行能力)の大きさ等に応じて等級を区分する制度で、能力の発展段階を等級によって区分するとも言えます。

 日本における伝統的なやり方で、社内調査を経て「職能要件書」も整備する場合もあります。

 

 【役割等級】

 役割の大きさ等に応じて等級を区分する制度で、役割価値で等級を区分します。

 『職能資格』に比べ階層がおおくくりになるのが特徴です。社内の役割を明確に定義します。

 

 【職務等級】

 職務の大きさ等に応じて等級を区分する制度で、職務価値で等級を区分します。

 社内の職務を調べ上げ、その職務に序列をつけていくやり方です。

 

 次にそれぞれを比較してみると、

 

 【職能資格】

  (メリット)

   ・人事異動・職務変化に柔軟に対応できる

   ・資格重視でポスト不足に対応できる

   ・ゼネラリストの育成に適する

  (デメリット)

   ・資格等級と職務内容にズレが生じやすい

   ・年功的運用に陥りやすい

   ・中高齢者が多いと適さない

 

  【役割等級】 

   (メリット) 

   ・役割と給与がマッチし合理的

   ・自らの役割設定拡大で変化に対応できる

   ・役割評価が比較的容易

   (デメリット) 

   ・役割等級の信頼性を確保するにはノウハウが必要

   ・ある程度の運用する力が要求される

   ・役割の設定や拡大を好まない社員には不利になる

 

  【職務等級】

   (メリット)

   ・職務と給与がマッチし合理的

   ・職務内容が明確になる

   ・専門家の育成には効果的

   (デメリット)  

   ・組織や職務が硬直化する

   ・メンテナンスが非常に大変

   ・職務が変わらないと給与が上がらない

 

 どれを選んでもメリット・デメリットはあるので、何に主眼を置くかやメリットを優先的に考えて、デメリットが表面化しない設計や運用を図ることが必要です。

 

 また、等級制度の構築にあたっては、現状の社内の役割や社内業務を膨大な時間をかけて緻密に分析するのはムダです。

 経営判断(こうあるべき)でシンプルに作成し、はっきりと違いがわかるクラス分けが重要ですね。

 

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